練習場はゴルファーにとって「はじめの一歩」一気通貫体制で地域組織とスムーズな連動目指す:全日本ゴルフ練習場連盟インタビュー

公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟

横山雅也会長
新井道夫常任理事

一気通貫体制で地域組織とスムーズな連動

――ゴルフ練習場はゴルファーにとって最も身近な施設であり、これからゴルフを始めようという人の入り口ともなります。ゴルフの振興、普及にとって、とても大切です。

横山会長 いま、練習場施設は北海道から沖縄までアウトドアだけで約2600場あります。生活圏の中で一番近く、定期的に通えるゴルフ施設ということで、ゴルファーにとっては「はじめの一歩」とも言えるところでしょう。これは日本独自の文化でもあり、ゴルフ人口を拡大するために私たちの果たす役割はとても重要だと考えています。

――そのような中で、連盟としてゴルフの普及、振興に力を入れていることは。

横山会長 私が会長に就いたのは2017年からで、この間に地域との絆を深めて連盟の基盤を形作る活動に力を入れてきました。具体的には一気通貫体制と呼んでいるもので、具体的にはそれぞれの練習場が取り組んでいるイベントやサービスなどの事案を各都道府県の連盟が吸い上げ、地域ブロックの連盟を通してわれわれ全日本練習場連盟に上げていく。そうすることで他の地域連盟もそのような取り組みを知ることになり、都道府県連盟を通じて全国の練習場に伝わっていくという仕組みです。

もちろん、うまく行っているところもあれば、思うように進まないところもある。特に近年は地域の力が弱くなっていて、地域代表になる人も減っているという事情はある。ただ、ZOOMなどを使った遠隔地とのコンタクトも広がっているので、全国隅々まで情報を伝えることができるようになっています。これらのシステムをうまく使い、スムーズな連動ができる体制を整えていきたいと考えています。

新井道夫常任理事

地域コミュニティーの空間に 11月3日を「ゴルフ練習場の日」と定める

――練習場でのイベントというと、具体的にはどのようなものがあるのでしょう。

横山会長 例えば私が代表をしている練習場では、夏に子供たちに開放する夏祭りイベントを開催しています。地域の子供たちに声を掛けて、出店も出してもらったりして、地域コミュニティーの空間となっています。そのようなイベントを知った他の施設の方も見学に来ていただいたりしており、このような試みをもっと広く知っていただければ、参考になると思います。

新井常任理事 ゴルフの魅力をもっと知ってもらい、活性化につなげていこうと、啓蒙活動にも取り組んでいます。そのために、2022年はゴルフ練習場連盟創立から70周年の記念事業にも取り組みました。全国600の練習場にポスターを貼り、皆さんに気持ちよく施設を利用してもらうためには練習場のマナーを知ることも大切と考えてゴルフマナー川柳も募集しました。そうしたところ1600以上もの応募があり、大賞の連盟会長賞には滋賀県の70代の方による「一流は マナーとプレーの 二刀流」が輝きました。また、11月3日を「ゴルフ練習場の日」と定め、落語の林家たい平師匠に公式アンバサダーに就任していただき、各練習場が来場者の方にプレゼントを配るなど、さまざまなイベントを企画しました。このようなことを通じて、各練習場と連盟との繋がりが深くなったことは本当に良かったと思います。

ゴルフマナー川柳のポスター

――ゴルフの普及には女性ゴルファーの存在も欠かせないと思います。

横山会長 女性にもっと来ていただけるように、アンケートなども取っています。やはりトイレがきれいであるとか、清潔感を求める声が多いと感じました。また、6月6日のWomen’s Golf Dayは、練習場連盟も旗を挙げて応援したいと思っています。そのようにJGA(日本ゴルフ協会)が発信してくれて、それにみんなが乗っかって協力し、繋がっていくことが外部から見ても分かりやすく、必要なのではないでしょうか。「ゴルフの日」にしても、2022年は練習場連盟が独自に行いましたが、JGAさんが旗を振って一緒になれば、ゴルフに関わる業界や施設が一緒にイベントも開催できるようになると思います。

一つ一つのことをどこまでやりきることが出来るか 横のつながりを大切に

――全国ゴルフ場連盟はその他にもジュニアゴルファーの育成や、安全管理の調査研究、各種セミナーの開催、認知症予防や健康増進のためのWAG(旧ウィズ・エイジングゴルフ協議会)との連携など、さまざまなことを実施しています。

横山会長 会社でもそうですが、一つ一つのことをどこまでやりきることが出来るかだと思います。ここまで成果は出ているが、それを続けていくというのも大変なことで、今後もいろいろなところと協力しあって、一緒にやりきることを考えていきたい。どこの団体も人数が少ない中でやっているので、そのような横のつながりはこれからも大切だと思います。

 

構成・鈴木遍理(情報シェアリング部会委員)

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