94歳で週1ラウンド「3度目エージシュート狙う」 :鶴田利雄さん

熟年ゴルファーの活躍が注目される中、週1回のペースで元気にラウンドする94歳のプレーヤーがいます。京都市内に住む総合商社・ツルタホールディングス会長の鶴田利雄さん。70~80歳代に3度、病魔に冒されたが克服し、最近、ドライバーの飛距離がアップ。「3度目のエージシュートを達成したい」とさらなる意欲を燃やしています。鶴田さんにゴルフへの情熱と、健康維持の貢献などを聞きました、

――ゴルフを始められたきっかけを教えてください。

1960年(昭和35年)、30歳の時、取り引き先の社長の勧めで京都ゴルフ倶楽部に入会しました。ゴルフについては何もわからず、知り合いからアドバイスを受けてハーフセットを購入して初ラウンドに挑みました。

ルールがよくわからず、同伴者の方にいろいろと教えてもらいながらのプレーとなり、その時のスコアはよく覚えていませんが、「挑戦したい」という気持ちが生まれ、仕事と両立させながらゴルフを始めました。

――どのようなプレースタイルでしょうか。

同伴者に迷惑をかけないよう、常に効率的なプレーを考えています。この年齢になってもコンペティーの位置は参加者の皆さんと同じです。ティーグランドに立てばスコアメイクを考え、打球のコースもイメージします。倶楽部のメンバーから「若い世代の方と比べても遜色ない飛距離と技術があり、尊敬されている」と聞き、大変、光栄に思っています。

ただ、以前、先を急ぐがあまり、乗っているカートが停車するのを待ちきれず、走行中に飛び降りたことがあり、家族から「危ないのでそれだけはやめて」と注意されました。最近は家族に心配をかけさせないように安全なプレーを心がけています。

88歳の8月8日に「88」 末広がりのエージシュート

――これまでエージシュートを2度、達成されたそうですね。

いずれも京都ゴルフ倶楽部の上賀茂コースです。1回目は2003年12月26日、73歳の時、アウト『35』、イン『37』の『72』で回りました。

2回目は2019年8月8日で、アウト『43』、イン『45』の『88』でした。8月8日に88歳での『88』となり、末広がりの『8』が並びました。最終ホールのミドル(パー4)で、約3メートルのパーパットを決めると、同伴者の方が「いけたで」と大喜びしてくれました。主催したお祝いのパーティーで、お世話になっている方々を招き、楽しいひと時を過ごしたことは宝物です。

実は3回目に達成した際のパーティーのイメージを描いていて、知り合いの方々が楽しみにしてくれています。最近、練習の成果が実り、ドライバーの距離が延びて、コースによっては第1打で160ヤード前後まで運べます。皆さんの期待に応えられるように練習を積み重ねて、ぜひ達成したいと思っています。

 

大病、3度克服  向上心や探求心は人一倍

――過去に大病を克服されたと聞きました。

風邪などは引かず、好き嫌いもなく、よく歩き、日常は元気に規則正しく暮していましたが、72歳の時に甲状腺がん、74歳に胃がん、80歳で肺がんになり、手術を受けました。いずれも早期発見で回復しました。笑い話ですが、術後に集中治療室から点滴の棒を引っ張りながら歩いて出てきて、「あー、お腹空いた」と言い、回復力のすごさに家族を驚かせたこともあります。

大病をすると、普通の人なら落ち込んだりすると思いますが、私は冷静で前向きでした。だからと言って無神経ではありませんよ。綺麗好きで、ゴルフクラブも常に拭いて綺麗にしています。家ではリビング、階段、車など掃除全般を担当し、平日の朝はリビングをモップで掃除した後、会社に行きます。

 

――現在。ゴルフをどのように楽しんでおられますか。

月に約5回です。月例や単発のメモリアル杯などの倶楽部競技、それ以外は舟山コースのオープンコンペ、親睦会やライオンズクラブの大会などで、月によっては5回より多くなることもあります。
ゴルフは楽しければ良いといった考えではなく、優勝やエージシュートを目指し常に向上心を持って取り組んでいます。週に一度はミズノ所属のプロからレッスンを受けています。向上心や探究心に探求心は今も若い方にも負けませんよ。

 

エチケット&マナーが大切  規則正しい生活が元気の源

――京都ゴルフ倶楽部での役割を教えてください。

倶楽部の理事であり、フェローシップ委員会の委員長をさせてもらっています。日々、どうすれば、倶楽部がさらに素晴らしいゴルフ場になるかを考えています。
フェローシップ委員長としては、エチケット&マナー向上を担っています。例えば、ジャケットを着てない人や、ラウンドで帽子やバイザーを被らない人を見たら、直接、注意することもあります。だからと言って堅物ではありませんよ。メンバーの方から「よく冗談を言い、女性ファンも多いですね」と聞くことがあります。これからも「会長さん」と親しまれていたいなあと思っています。

――同世代のゴルファーへのメッセージをお願いします。

ゴルフは野球やバレーボールといった一般的なスポーツと違い、メンバーの失敗を望むようなものではなく、相手が良いプレーをしたなら、心から称え、共に喜ぶ競技です。そのような気持ちを大切にし、ルール、マナーとプレーファストを重んじ、ラウンドしていただきたいと思います。
よく皆さんから、どうやればそんなに元気でいられるか、と聞かれます。毎日、規則正しく生活することが1番です。食事は何でも食べて好き嫌いはありません。

常に風邪を引かないよう、無理をしないことを心がけています。就寝は午後9時半、起床は午前6時半を長年守っています。規則正しい生活が1番大事だと思っています。

 

 

伝統と格式のある名門コース

【京都ゴルフ倶楽部】(ホームページより抜粋)

京都ゴルフ倶楽部(京都市北区)は太平洋戦争後に建設され、上賀茂コース(旧・東コース)、舟山コース(旧・西コース)を有したゴルフ場です。1948年7月から翌年3月にかけて各ホールが造られ、日本で戦後最初の新築ゴルフコースが京都の地に完成。58年に西コース(現・舟山コース)が新たに着工され、62年に今の形になりました。

その後、日本で初めて株式会社方式での運営、法人会員制度の導入の実施、日本独特の女性キャディシステムの廃止、セルフプレー方式や4人乗り電動乗用カートの導入など、日本ゴルフ界の先駆けとしての責任を果たしました。

クラブハウス入口の赤松は樹齢300年を越え、伝統と格式を感じさせます。

 

情報シェアリング部会委員・橋本栄二

 

 

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