筑後柳河藩・立花家17代当主が幹事を務めて国際親善 ~日本・台湾・香港で持ち回りによるゴルフコンペ「GNG福岡大会」開催~

立花宗鑑 氏

福岡の「筑後柳河藩主 旧伯爵家 立花家17代当主」立花宗鑑(むねあき)氏(87歳、千葉県市川市在住)が幹事を務める国際親善を目的とした「GNG(Good Neighborhood Golf)」というゴルフ組織がある。日本・台湾・香港のゴルフ愛好家が集まって持ち回りでコンペを開き、今年で12年ほどになるという。今回は日本の幹事を担う立花氏の生まれ故郷でもある福岡県で3日間3ラウンド。3カ国・地域から参加した男女合わせて52人(ゴルフ不参加5人)は、緑の芝生の上で日本語・英語・中国語の言葉を交えながら楽しくプレーした。

日本では3度目の開催。飛び交う日本語・英語・中国語

2024年11月中旬、穏やかな福岡県小郡市の小郡カンツリー倶楽部。ここで「GNG福岡大会」が開かれた。このコースは東・西・南の3つのコースがあり、参加者は3つの国・地域のメンバーが最低でも1人入るように組み合わされるが、欠場者が出た場合はもちろん変更もある。幹事の立花氏は東コースの1番スタート。パートナーは余志誠と女性の羅晴如(ともに台湾)の両氏。立花氏のドライバーでの第1打は思い通りに飛ばず、「幹事疲れした」と笑いながら第2打地点へと向かった。前夜は福岡市内のホテルでウエルカムパーティーがあり、気疲れも残っていたようだ。

小郡カンツリー倶楽部の27ホールのうち18ホールを回るため、参加者全員が同一条件とはならないので、それぞれのコース別に表彰。毎大会、1人1万円ずつ出し合って、3ラウンドの賞品に充てる。競技はアンダーハンディで争われ、立花氏のスコアはお疲れのせいか、49・49のグロス98のネット80・0(ハンディ18・0)だった。

同伴者と会話をする立花氏

グリーン上、フェアウェイ、昼食、ホールアウト後のパーティーといずれも賑やかだ。日本語・英語・中国語が飛び交う。「ゴルフですから言葉が通じなくても身振り手振りで分かります」。慣れているせいか、意思疎通を心配するプレーヤーも少ない。立花氏は英語も堪能なだけに輪の中心にいる。

福岡大会はいずれも福岡市に隣接するゴルフ場で行われた。3日間で3ラウンド。日本で開催されるのは今回で3回目だ。第1回は立花氏のホームコースの筑波カントリークラブなど茨城県の3コース。第2回は立花氏が理事・事務局長を務める「公益財団法人・軽井沢美術文化学院」のある軽井沢町周辺(長野県)で開催された。日本で開催する場合は全て立花氏が軸となって運営されており、今回の福岡のケースでは、大会の数カ月前に3つのゴルフ場をラウンドせずに1日で「弾丸視察と打ち合わせ」を行った。参加者が気持ちよくプレーするための心配りである。

GNG―。日本語に訳すと「良きご近所さんたちのゴルフ」とでも言おうか。元々、台湾と日本の会はあったが、立花氏が日本の幹事となって日本・台湾・香港で始めた大会は12年ほど前になる。発端は世界20カ国以上、会員400人超のISAGS (The International Seniors Amateur Golf Society=国際シニアアマチュアゴルフの会)という組織があり、そこの3カ国・地域のメンバーが「3カ国でやってみようよ」と意気投合して始まった。最初の大会は2012年の台湾。2013年は日本で行われ、その後順調に回を重ねてきたが、2020年に北海道・釧路で開かれる予定だった3度目の日本大会がコロナの影響で中止となり、「そろそろ」との声が上がり福岡開催となった。

入会資格はなく、立花氏によると「ゴルフが大好きで、問題がなければ」ということだが、時間と経済的に余裕のある面々が顔を揃える。平均年齢は75歳前後で、ほとんどの方が第一線を退いている。今回の日本参加者は、準備期間が短く時間の余裕がなかったので、いつもは関西、九州方面からも参加してもらっていたが、立花氏のホームコース・筑波カントリークラブのメンバーが多くを占めたとのことである。

2005年、セントアンドリュースの親子大会で優勝

ここで立花家や宗鑑氏について紹介する。その名前・宗鑑を見ただけで、いかにも由緒ありそうな雰囲気が漂う。立花家第2代当主で柳河藩初代藩主の立花宗茂は戦で一度も負けたことがないという戦国武将。福岡では有名な殿様である。宗鑑氏は17代目。宗鑑氏の母・文子(あやこ)さんは徳川15代将軍・慶喜の孫。小説「坂の上の雲」に登場し、日露戦争での日本海海戦で有名な島村速雄連合艦隊参謀長(後に元帥)は宗鑑氏の祖父にあたる。

宗鑑氏は慶應高―慶應義塾大から三井物産に入社し、その後も経済界で活躍。ゴルフは28~29歳頃に始めた。海外生活も長く、リタイア後はギリシャ、イタリアのシシリー島、コスタリカ、メキシコなど多くの国でプレーした。ゴルフ人生の中で忘れられないのが2005年の出来事。宗鑑氏は「そんなにゴルフが好きなら出てみたら」と利根夫人に勧められ、長男・宗和氏と英国の観光会社が主催するセントアンドリュースでのトム・モリス親子にちなんだ親子大会(アンダーハンディ)で優勝、その年の全英オープンはタイガー・ウッズが通算14アンダーで制した。「セントアンドリュースが毎月のイベントを紹介する広報誌に、その年の4月は私たちが載り、7月にタイガーが掲載されました。嬉しかったですね。(優勝の)クリスタルトロフィーと広報誌を大事にしています」と宗鑑氏の宝物となっている。

「ゴルフのために健康を維持して90歳まではやりたい」

立花氏は昨年12月25日で87歳を迎えた。初めてクラブを握ってから約60年。最高ハンディは「5」。ベストスコアはパープレーの「72」である。「ゴルフのために健康を維持したい。スコアより、きちんとしたゴルフをして、90歳まではやりたい」。ゴルフに感謝しつつ、ゴルフを愛する17代目当主。次回のGNG大会は香港が幹事となっており、ゴルフ場はタイの予定。立花氏はその日を心待ちにしている。

構成・森本博樹(情報シェアリング部会委員)

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