トーナメントを通じて地域社会に貢献することが不可欠 小学生にスナッグゴルフ指導、用具寄贈も:日本ゴルフツアー機構(JGTO)インタビュー

トーナメントを通じて地域社会に貢献することが不可欠 小学生にスナッグゴルフ指導、用具寄贈も

一般社団法人 日本ゴルフツアー機構

青木 功 会長
上田 昌孝 専務理事・事務局長
宮内 勝 貢献事業部部長

ジュニアが育てば育つほどゴルフ人口は増える

――JGTOは選手会とも連携して小学校へのスナッグゴルフ用具の寄贈や指導など、子供たちにゴルフを身近に感じてもらう活動を精力的に続けています。今や全国で900以上の小学校がスナッグゴルフを導入するようになり、成果も出ています。

青木会長 世界に羽ばたくゴルファーを生み出すきっかけとして、スナッグゴルフを広めています。地方の方にもお世話になっていて、とてもありがたいと思っているし、この活動をもっと広げたい。ジュニアが育てば育つほどゴルフ人口は増えるし、それがゴルフの普及、振興につながっていけばいいですからね。

宮内部長 JGTOはプロたちが最前線で戦うツアーを運営する団体なので、ティーチング部門がありません。そのためプロゴルファーが子供たちと触れ合う機会を作ることで、ゴルフや選手の魅力、知名度、技術を広めることができればと考え、活動しています。トーナメントを行う時には、その地域の市役所、村役場、教育委員会などとも連携し、協力を得ながらそのような触れ合いの場を作っている。米国で生まれたスナッグゴルフが日本に導入されるまでは、ゴルフを小学校や中学校の部活動で行うのはスペースの問題などもあって危ないと言われてきた。それが今は学校の中で行えるようになったので、スナッグゴルフは非常に優れたものだと思っています。

青木会長 今後は中学校にもスナッグゴルフの用具を寄贈することを考えています。小学校から親しんで、それが中学生になっても繋がることでゴルフの底辺が広がり、いろいろな方面で通用する選手が多く出てくるのではと期待しています。

笠間市スナッグゴルフ寄贈

バブル時代とはトーナメントに求められているものが違う

――ゴルフトーナメントを通じた地域社会への貢献、結びつきなどについては、どのように考えていますか。

上田専務理事 トーナメント自体が社会的に認知されるためには、地域との連携がなければ成り立ちません。お金が余っていたバブル時代と今では、トーナメントに求められているものが違います。スポンサーにとってはお金を出したことに対するリターンがきっちりなければいけないし、地元にとってもトーナメントをやって良かったという貢献が出来る要素がなければいけない。それらが嚙み合ってきた時に、この先10年、20年、50年続くトーナメントとして息が吹き込まれていくのだと思います。

地元の子供たちと接点を持つことも、そのような地域貢献の一貫です。その接点を深くするためにスナッグゴルフを楽しんでもらい、ゴルフ場に来てもらい、トーナメントでは選手たちと手をつないで入場するなどして一層の親しみを持ってもらう。そして、それらを見た親御さんたちに「いいね」と言ってもらうような広がりを、作っていかなければならないのです。

そのようなことに意欲的に取り組むようになったのは、ここ10年くらいです。もっと力を入れていかなければならないし、まだまだ足りない。特に地元のメディアとは、もっと連携を深めていくべきでしょう。トーナメントの期間だけではなく、特にABEMAツアー(二部)では試合を開催する前から社会に貢献している姿勢を地元の新聞などで取り上げてもらうなど、アピールしていかなければ。それがトーナメントの発展、ゴルフの発展にすごく重要だと考えています。

――そのようなトーナメントの中からスター選手が出てくれば、ゴルフの振興にも一層つながるかもしれません。

青木会長 スター選手が1人だけじゃなく10人くらい出てきて、彼らが競い合っている姿を見て「自分もあのような選手になりたい」と思ってくれればと思います。何をやるにしても目標を作ることが第一で、目標がないスポーツは存在しない。そのような意味からも、スナッグゴルフを小学校、中学校でやるのは大切だと思います。

上田専務理事 ゴルフには自分でやる要素と、見る要素の両側面があります。スター選手の存在は、見るスポーツとしてのゴルフの面白さを一層引き立てます。一方、自分でプレーするスポーツという面では、コロナ禍でゴルフは活性化しました。これからも見るスポーツ、やるスポーツの両方で盛り上げ、チャレンジしていくことが、ゴルフ界には必要です。JGTOは、見るスポーツのコンテンツとして、もっと魅力的にするために力を入れていかなければなりません。

スナッグゴルフ全国大会

自分自身をアピールできるゴルファーを ファン層の広がり目指す

――JGTOは男子ゴルフツアーを統括していますが、女性ゴルファーの創出に関してはどのように考えていますか。

上田専務理事 現在の女子ゴルフの人気は、試合や選手の露出が新聞や雑誌、地上波のテレビ放送だけだった時代から、インターネットの普及とともにインスタグラムなどSNSを見る人が増え、その効果が出ているのだと思います。また、先ほど申し上げたようにコロナ禍も女性ゴルファーや女性のギャラリーが増えてきた要素の一つだと思います。これからはシニアの女性ファンを増やすことにも力を入れ、早朝の新宿駅でゴルフトーナメントを観戦に行く女性を多く見られるようになればと考えています。そのためにはSDGsも外すことはできません。SDGsにしっかり取り組むことで企業や地域社会、ファンのサポートをきちっとした形で得られるのではないでしょうか。スポンサー企業とお話をさせていただいても、社会性がゴルフに求められていることを感じます。

――そのようなゴルフのイメージアップに関しては、青木会長はどのように考えていますか。

青木会長 JGTOの立場から言えば、あらゆる年代層の人が見たいと思うような、自分自身をアピールできるゴルファーが出てくることだと思います。そのような、我こそが一番とアピールできる選手が多くいるほど、そのスポーツは盛んになる。選手の新陳代謝が繰り返される中でも、スター選手としての立場を15年、20年と長く続けることができる選手が多くいるほど、ファンの層は広がっていくし、ゴルフのイメージアップにも繋がると思います。そのような選手を生み出すために、いろいろ考えていきたいです。

 

構成・鈴木遍理(情報シェアリング部会委員)

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