コースとクラブハウスで質の高いサービスを ゴルフ場をもっと楽しい場所に:中部ゴルフ連盟インタビュー

コースとクラブハウスで質の高いサービスを ゴルフ場をもっと楽しい場所に

中部ゴルフ連盟インタビュー

滝 茂夫 会長
松本敏明 事務局長

 

ーー中部ゴルフ連盟(CGA)は愛知・岐阜・三重・福井・石川・富山・及び静岡・長野県の一部と、広域にわたっています。各県のゴルフ場の現状を教えてください。

滝会長 全体に若年層でゴルフを始める人が増えてきています。以前は若い人たちの集まりは居酒屋で宴会というパターンなどが主流だったのですが、コロナ禍でそれを避ける方向になり、バーベキューとかゴルフのアウトドアに流れている印象です。ゴルフの裾野が広がるという点では喜ばしいことです。

ーー各地域とも若い人たちが増えると、マナーが徹底されていないと苦情が多くなるケースもあると思いますが、どのように対処しているのでしょう。

滝会長 確かに若い人たちのゴルフに対する常識と、それ以上の年齢の方々の常識は少し違うところがあります。私も会員になっている三好カントリー倶楽部や名古屋ゴルフ倶楽部和合コースのような名門のゴルフ場ではマナーが徹底されていますが、会社の仲間と気軽に行けるようなコースでラウンドすると、バンカーの砂をならしていないとか、グリーン上にスパイク跡がたくさん残っているとか、そのようなことがあります。

松本事務局長 若い人にもマナーを覚えてもらうため、各倶楽部に配布する会報に掲載するなどしたり、また日本ゴルフ協会(JGA)のホームページにアップされている「ゴルフ場での初めてのプレーもこれで安心」の動画は非常に分かり易いので、それを出来るだけ見てもらうようにご案内しています。

滝会長(左)と松本事務局長

名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで決勝 県民大会

ーー初心者スクールなど、ゴルフの普及・振興にはどのように取り組んでいるのでしょうか。

松本事務局長 各県の連盟ではゴルフ振興基金としてゴルファーから30~50円をいただいて、振興事業に充てています。その総額は2021年度で合計で約3億2000万円でした。基金の使い道は具体的には初心者教室や、県民大会をリーズナブルな参加費で開催することに充てています。県民大会の決勝を名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで行うと皆さんも大変喜ばれるので、ゴルフをさらに続けてもらおうという狙いです。また、ゴルフ未経験者に面白さを知ってもらう取り組みも、各県がそれぞれやっています。JGAのゴルフ振興推進本部がホームページを立ち上げるので、これからはそのような取り組みを各県にアップしてもらい、それを連盟もフォローしていく形でやっていければと思っています。

ーー女性ゴルファーを今より増やしていくことには、どのように取り組んでいますか。

松本事務局長 ゴルフ場の集客を増やすために、女性や高齢者への普及は欠かせません。会報ではそのような方々がどのように楽しんでいるか、またレストランの食事の紹介なども載せています。

ーーそのような方々にゴルフを長く続けてもらうために、課題はありますか。

滝会長 私たちが考えなければいけないのは、ゴルフ場をもっと楽しい場所にすることだと思っています。例えば古くからあるコースだとティーイングエリアの(シニア向けの)ゴールドティーの位置が白のレギュラーティーとほとんど変わらなかったり、レディースティーが設置されていないところもある。健康のためにゴルフをやっているという人でも、スコアが130だったりしたら面白くないでしょう。80歳でも100を切ったといえるように、新しくティーイングエリアを作るなどして、楽しいゴルフを提供するサービスも必要だと思います。

また、レストランでの食事も楽しみの一つとしてもらうためにリーズナブルなセット料金を設定したり、夫婦なら半額にしたり、お揃いのマーカーをプレゼントしたり、コースとクラブハウスの両方でサービスを提供していく工夫も必要ではないでしょうか。

松本事務局長

学校教育へのゴルフ導入検討を JGAに望むこと

ーーゴルフ振興のためにはゴルフ場などのサービスの質も大切ということですね。

滝会長 JGAでもCGAでもホームページを作っていろいろな映像を流していますが、正直言って9割方のゴルファーは見ていませんよ。そのようなものは、作ることが大事なのではない。もっと、実際にゴルフ場に来られたお客様に対し、資料なりパンフレットなりを直接手渡して振興事業などへの理解をしてもらうことが大切。女性ゴルファーを増やすというのなら、来場された女性に「次回は4人で来られるとお得にプレーできますよ」とチケットを渡すなど、サービスの質をそれぞれのコースが考え、作っていき、それをJGAや私たちCGAがコントロールしていく。私たちはそういう立場なのではないかと思います。

松本事務局長 ゴルフの普及・振興には学校教育への導入も大きな課題の一つと考えています。小学生のころからゴルフを始められるようなきっかけ作りです。CGAではジュニア育成のために強化選手の合宿なども行っていますが、裾野を一層広げるために学校でもゴルフを取り入れることができるように、JGAは文科省などと話し合いながら検討していただければと思います。

 

構成・鈴木遍理(情報シェアリング部会委員)

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