ゴルフ振興へ新たな一手。中国地方初のJGA WAGスクール開催:中国ゴルフ連盟・宇部72CC

中国地方では初の開催となる「JGA WAGスクール」が5月6日に宇部72カントリークラブで開かれたのを機会に、これまでも積極的なゴルフ振興策を展開してきた中国ゴルフ連盟の千葉泰久・副会長(山口県ゴルフ協会会長)、作本浩徳・中国ゴルフ連盟事務局長、金川誠・宇部72カントリークラブ総支配人の3氏が集まり、座談会形式で、「ゴルフ振興へ新たな一手」をテーマに話し合いました。MCを務めたのは、JGAゴルフ振興推進本部ゴルフと健康部会の中島和也・部会長です。

中島部会長 本日はよろしくお願いします。まず千葉副会長、これまで中国連盟が取り組んでこられたゴルフ振興策についてお話ください。

千葉副会長 私がゴルフを始めたころは、団塊の世代の人たちが中心になって引っ張ってくれていました。それこそ夢中になって、ゴルフの前日には会社でもその話題で持ち切りになるくらいで。その団塊の世代が減ってくる時代を迎えて、どう次の世代へとつなげていくのか、という危機感が出てきました。そして、コロナ禍に見舞われて、「これは痛い」と思ったのですが、ゴルフは屋外のスポーツということもあり「意外と大丈夫」というイメージがつき、ゴルフを始める若い人が増える傾向も出てきました。

そんな中で、私が大事だと思うのはゴルフというスポーツの持つ面白さ、楽しさをどう伝えていくかということです。人間の力でどれだけ遠くへボールを飛ばせるか。野球のスーパースターである大谷翔平選手の素晴らしいホームランでも130ヤードから150ヤードくらい。ゴルフでは200ヤード、300ヤードともっと遠くまで飛ばせる。こんな面白いことはありません。この魅力を広めていくことが大事なのです。

高齢の方のグランドゴルフは時間もかからず、楽しむ人が増えました。あれと同じように、お金や時間のかからないものはないか、とうことで子供たちのスナッグゴルフも普及を進めています。若い人や女性も割と気楽にできるスクランブルゴルフ、ペアスクランブルにも力をいれて予選から決勝へといろんなイベントを開催することで、効果が出ていると思います。

中島 それでは、そのあたりも含めて作本事務局長にお話を伺います。

作本事務局長 山口県ゴルフ協会では、JGA主催競技につながる県選手権とは別に、県民であれば気楽に参加できる県民ゴルフ大会を予選、2次予選、決勝大会を含めて年間12競技を開催、のべ1600人が参加されています。最近ではこれに加えてスクランブルゴルフ競技に力を入れています。これは初心者でも参加しやすく、友人や家族も誘いやすいことから普及策として極めて効果的です。今年からは「なでしこチャレンジ(女性ペア)」「アクティブシニアチャレンジ(60歳以上ペア)」「ミックスダブルスチャレンジ(男女ペア)」「U―40チャレンジ(40歳以下ペア)」の4つのカアテゴリー別競技を新設しました。年間14競技でのべ2000人の参加が見込まれています。

金川総支配人 そうですね。ゴルフの楽しみ方が増えて、それにつれて、参加する層も広がる感じがしますね。

中島 コスト面はどうなっていますか。

金川 山口県協会として予算化していただいて助成があることで、開催する倶楽部に負担がかからないようになっています。決勝大会ではケーブルテレビが入って放映してくれます。

千葉 テレビに映るとうれしいものです。女性は賞品があるととても喜んでくれる。フェイスブックなどに上げてそれを広めてくれる効果もあります。

中島 女性のゴルフ人口が増えることは、ゴルフ界全体にとってとても大事なことです。

作本 中国連盟では、ゴルフ振興には女性ゴルファーの創出が不可欠と考え、加盟クラブから毎月報告される入場者報告に男女比率を入力できる新システムを導入しました。クラブごとの月別入場者数、男女別の入場状況を一元的に把握できる体制が整い、女性参加促進に向けた方策立案に生かせると思います。

千葉副会長

千葉 女性がゴルフに行くと、男性も一緒にプレーをすることが多いです。先日も後ろの組が男女のペアでプレーしていました。性別を問わず、多くの人が楽しめるスポーツとしてさらに広がってほしいですね。

中島 次に高齢者対策としては、JGA WAGスクールがあります。健康のためにゴルフをやっていく、継続することで健康につながる。そしてゴルフ人口の減少を食い止める、または減少速度を弱めることに繋がるのではないかと期待しています。

千葉 これはいい企画ですよ。昔やっていたけど、間があいてしまった人が「行ってよかった」と感じるようになればいいですよね。

作本 今回、歴史ある宇部72カントリークラブで開催されたWAGをモデルケースとして中国5県へと広げていきたいと思います。今回の結果をうまくまとめて中国5県に発信したいと思います。JGA、地区連盟、県協会の連携にもつなげていきたいです。

中島 WAGスクールでは地元自治体との協力や連携も大切です。自治体とゴルフ場が繋がり住民の皆さんの健康に貢献する、これが大きなことだと考えています。

作本 地域、自治体との協力という点では、中国連盟は「災害時における被災者へのゴルフ場の支援協力に関する協定」の締結に向けた取り組みを進めてきました。鳥取、島根、岡山、広島、山口の中国5県で合意を形成するには、一定の時間がかかりましたが、このほど、中国知事会で協定締結式を行う運びとなりました。

作本事務局長

近年、各地で大規模災害が相次いでいます。広大な敷地を有するゴルフ場は、一時避難所や物資の集積拠点として一定の役割を果たしうるとの認識も広がっています。協定の趣旨に賛同していただいた79ゴルフ場が協力し、災害時に役割を果たすことは地域社会への貢献であると同時に、広い意味でのゴルフ振興の一環であるととらえています。

中島 ゴルフ場単体ではなく、5県でとなると大変でしたでしょう。

作本 5県との合意には時間もかかりました。

千葉 これを作っておけば、回りが助けてくれる。地震や災害はいつくるかわからない。備えておくことが大事です。

ゴルフ振興にはゴルフ場が地域に必要とされる存在になること

中島 それでは、今後のゴルフ振興策についてのお考えをお聞かせください。

千葉 ゴルフはオリンピックスポーツです。スポーツは心技体を作るものですが、そのうえで、ゴルフは面白いし、やった人にはそれがわかる。その面白さと楽しめることを皆に伝えていく。ゴルフはかつてお金持ちでないとできないというふうに言われていましたが、今は、ゴルフはスポーツで気楽に楽しめる、そして健康にもよいということになってきている。それをいかに普及につなげるかが大切だと思います。

中島 楽しめないと続きません。

作本 ゴルフ場が地域に必要とされる存在になること。その中で、ゴルフの文化、価値を次の世代につなげていく。そのためには誰もが参加しやすいコミュニティーになっていくことが大事です。今回のJGA WAGスクールも1回、2回と続けていくことで、他のゴルフ場にもつながっていくようにしたい。

金川 今回のWAGスクールには9人が参加しましたが、全くの初心者の方もいました。継続してやっていくいことで、新たなゴルフ参加者が出てくると思います。コロナ前は厳しいドレスコードなどがあったのですが、今では、上着を着用しなくてもよい、という風潮が出てきています。せっかく増えてきた若い人たちが、やめてしまわないように、総務委員会で承認をもらって、敷居を低くしています。若い人が増えることで振興につながります。

金川総支配人

千葉 「最近の若い奴らは」と言ってはいけません。ゴルフの基本は人を大事にすること。人を大事にすれば、自分も大事にすることにつながる。人を大事にする付き合いが大切です。

中島 社会で生きていくために必要なことが凝縮されているのがゴルフであると思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

構成・情報シェアリング部会 古谷隆昭

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