日焼けや熱中症が気になるからこそ、ゴルフを通じて自分の体と向き合う時間にできたらいい:原英莉花プロインタビュー

JLPGAツアーで活躍する原英莉花プロ(25)は、多くの女性ゴルファーにとって憧れの存在だ。1998年度生まれの黄金世代で、2023年の日本女子オープン選手権では3年ぶり2度目の優勝も飾った。身長173センチからのスケールの大きなプレーにとどまらず、ファッションでもゴルフ界をリードする原プロに、ゴルフの魅力などを女性の目線から語ってもらった。(聞き手=日本ゴルフ協会ゴルフ振興推進本部・山中博史本部長)

私は負けず嫌い。プロになると言ったからには、その思いを曲げたくなかった。

ーーいま、世界のゴルフ界が取り組む課題として、ゴルフが高齢者や障がい者の方も楽しめるスポーツであることを広めていくと同時に、女性のゴルファーを増やすことがあります。ゴルファーに占める女性の割合は少しずつ上がってきて、現在は17~18%です。それは、やはり原英莉花プロのような、強くてカッコよくて、オーラがあって、ゴルフ場にいても素敵な人が多く出てきて、活躍することによって、女性のゴルフ人口が増えることにもつながっていると思います。原プロは、どのようなきっかけでゴルフを始めたのですか。

原英莉花プロ 私の母が、ゴルフが好きだったんです。私自身は球技がそれほど得意ではなかったのですが、止まっているボールならやれるのではと思うところもあって、1回やってみようと。それが始まりでした。

ーーそれは何歳くらいの時ですか。

原プロ 9歳くらいです。そして10歳の秋くらいに、コースに初めて出ました。そのうち周りから「(プロに)なるんだよ」「もちろん、なるんでしょ?」なんて言われるようになって、当時はプロが何かよく分からなかったけど、ゴルフを続けたいという意味で「うん」と答えていました。そこから練習場にも毎日行くようになって、将来はプロに成りたいという意識も高まっていきました。そのような時に、葉山国際カンツリー倶楽部で同じくらいの年代の子と一緒にラウンドしたのですが、その子がすごく上手だったんです。私はすごく負けず嫌いだったので、練習して上手くなりたいという気持ちがより強くなって、さらにプロになると言ったからには、その思いを曲げたくなくて一所懸命にやりました。中学に入る前のことですね。

ーー葉山国際カンツリー倶楽部は、メンバーとしてプレーしていたのですか。

原プロ ジュニア育成プログラムというのがあって、月額でいくらとか、ジュニアのプレーフィーで回らせてもらっていました。キャディーバッグは自分で担いで回って、体力もつけることができました。

ーー高校は地元神奈川県の湘南学院高でしたね。

原プロ はい、ゴルフ部がある高校でしたが、同好会みたいな感じで、そんなにガッツリやる高校ではありませんでした。近くに練習場があったので、毎日そこで練習していました。

ゴルフほど大自然の中でやれるスポーツは、ほとんどありません。

ーー高校ではプロの試合にも出場するなど、多くの試合経験を積んで、卒業後にプロに転向したわけですが、その中で原プロが感じてきたゴルフの一番の楽しさはどのようなところにありましたか。

原プロ これほどの大自然の中でやれるスポーツは、ほとんどないと思うんですよ。あったとしても、もっと狭いじゃないですか。ふんだんに緑に囲まれているコースもあれば、海が見えるコースもありますし、そのようなところが魅力なのではと思います。

ーー女性ゴルファーとして、何か気を付けていることはありますか。

ずっと外にいるスポーツなので、日焼けとか、そういうことにはすごく気を付けています。また、かわいいウエアは自分のモチベーションにもなります。朝に、その日の気分によってウエアをチョイスするのは、すごく楽しいです。

ーーそのようなゴルフの魅力をもっと知ってもらい、女性ゴルファーが一層増えていくためには、どのようなアピールが必要だと思いますか。

原プロ ゴルフは先ほど話したように、日焼けが気になったり、夏は熱中症が怖いとか、そのような側面もあると思います。だから、ゴルフをただプレーして帰るものとするのではなく、日焼けなどのケアと同時に自分の体と向き合えることに着目できたらいいなと、私は思うんです。海外はトレーニングジムなどが隣接していることがあるじゃないですか。そこでラウンド後のアフターケアができたり、点滴を打ったり、美白になれるようにしたり、ゴルフを通じて自分の体を見つめ直す時間にするというのは、ヨガやピラティスと同じだと思うんですよ。

仕事、結婚、出産、育児、移動手段、プレーフィーの高さ…課題はまだ多い

ーー女性の場合は仕事、結婚、出産、育児なども、ゴルフを続けることを難しくする要因となっていることが今でもあります。LPGA(米女子プロゴルフツアー)は、そのような障害を取り除こうと、試合会場に託児所を設けたりしていますよね。

原プロ 育児のほかにも、移動手段が大変というのも、ゴルフにはありますよね。ジュニアの場合は親が練習場やゴルフ場に送り迎えしなければなりません。プレーフィーも安いとはいえないと思うでしょうし。私もそうでした。

ーー女性に限らず、ゴルファーを増やしていくためには、そのような課題を一つ一つクリアしていかなければならないと思います。シーズンの最中で忙しい中をありがとうございました。

 

構成・鈴木遍理(情報シェアリング部会委員)

関連記事

  1. 子どもたちの歓声も3大会ぶりに復活(2023年4月2日)

  2. 『ゴルフのまち三木市』中学校体育教諭がスナッグゴルフ指導者向け講習を受講(2022年12月9日)

  3. 第5回糸島市スナッグゴルフ大会を開催:日本ゴルフツアー機構

  4. 都道府県別ゴルフ場来場者調査(速報)12月更新

  5. 「スナッグゴルフ体験会in石巻市」が開催!金谷拓実、杉原大河、米澤蓮らが参加(2023年5月7日)

  6. 「Hello,Golf!社会科見学プログラム」at 2024 中国新聞ちゅーピーレディースカップ:JLPGA

最新のゴルフ振興情報を

メールで
お届け!

今すぐ登録

メール登録

Translate »