各県の取り組みや成功例を情報共有 活性化委員会を立ち上げ:九州ゴルフ連盟インタビュー

各県の取り組みや成功例を情報共有 活性化委員会を立ち上げ

九州ゴルフ連盟インタビュー

水田芳夫 理事長
重永敏哉 事務局長

 

――九州ゴルフ連盟はゴルフの普及・振興に向けて活性化委員会を立ち上げています。活動の内容などを教えていただければと思います。

水田理事長 普及や振興には2年ほど前から本格的に取り組み、活性化委員会も立ち上げました。昨年春からは各県の、特に支配人会で話し合っています。連盟の活性化委員会で何か統一したものを行うというよりも、各県にはそれぞれの環境の中でいろいろなやり方があって、例えば福岡県ではゴルフ場に行ったことがない人を昨年春と秋にそれぞれ20人ずつ募集しました。初めてゴルフコースを見た人が感激し、ゴルフをやりたいと思ってくれればという狙いです。今年の秋には1期生、2期生でコンペも行い、ゴルフを楽しみながら覚えていくので上達も早いという印象でした。ゴルフはどうしても覚えるまで時間がかかるので、最初はプロに教えてもらい、エチケットなどもしっかり押さえることが上達の近道です。特に今年はコロナ禍で若い人のゴルフ人口が伸びているので、マナーを覚えてもらうことは課題です。

重永事務局長 福岡県以外にも、例えば佐賀県ではスクールの受講生を上級者部門と初心者部門に分けて募集し、特に初心者部門の受講生を増やすように取り組んでいます。そのような中で、スクランブルゴルフ大会は1回目から200人以上が参加するほどの盛況でした。一方、長崎県もスクランブルゴルフ大会を実施していますが、1回目こそうまくいかなかったものの活性化委員会で発表された佐賀県の成功事例にならって、2回目の大会からうまくいくようになりました。具体的に言えば、大会をアスリート部門と新人部門に分け、各ゴルフ場がプレーヤーに参加の声掛けを行うようにしてもらったのが良かったのだと思います。

水田理事長

地元テレビ局とタイアップ 鹿児島県

――九州ゴルフ連盟には8つの県が所属し、範囲も広い。その他の県の振興事業も教えてもらえますか。

重永事務局長 大分県は初心者が気軽に参加できる100切り選手権を立ち上げています。こちらは20社以上の協賛スポンサーを集めて実施しているのが特徴です。熊本県は県協会と活性化委員会がタッグを組み、新規女性ゴルファー開拓のためのアカデミー開講や、団体戦を実施している。宮崎県はプロによるレッスン会を複数回開いています。鹿児島県は、テレビ局とタイアップしていることも特徴で、ゴルフ場の支配人が出演してゴルフの面白さを伝えたり、女性リポーターがデパートのゴルフウエア売場に取材に行ってウエアのかわいさなどを伝えて女性の目を引くなどの取り組みをしています。さらに、ゴルファー全員を対象に商品券が当たるキャンペーンも行い、特に女性ゴルファーに好評でした。また、沖縄県では有名なユーチューバーを招き、投稿サイトのインスタグラムなどで目を引くゴルフ場での写真の写し方などを教えてもらう試みも行っています。

――九州は上田桃子選手、勝みなみ選手ら強くてリーダーシップもある女性ゴルファーを多く輩出していますから、女性ゴルファーも増えていくのではないでしょうか。

水田理事長 ただ、女性ゴルファーの割合はまだ12~15%くらいで、男性が今もなお多いというのが実情です。

重永事務局長 女性を含む新規ゴルファーを開拓するといっても、最近は福岡周辺のゴルフ場などはお客さんが非常に多くなり、予約を取りにくいという状況があります。連盟の加盟倶楽部数が今年は2つ減って191となっても、入場者数は増えている。平日でも満員ですからね。その中で各ゴルフ場に普及や振興にどのように取り組んでいただけるかは、壁といえば壁かもしれないですね。

重永事務局長

――宮里藍選手らを生み、最近では比嘉一貴選手の躍進も目立つ沖縄県は振興事業にどのように取り組んでいるのでしょうか。

重永事務局長 沖縄県はビジターの観光客を中心に運営しているゴルフ場が多く、九州ゴルフ連盟に加盟していない倶楽部も結構あります。県としては、ジュニアが夕方以降は割安でプレーできるようにするなど、育成に取り組まれています。

普及事業のベースとなるマニュアル作成を目指す

――今後はゴルフの普及・振興に向けて、活性化委員会で取り組んでいくことはありますか。

重永事務局長 各県が普及事業に取り組む際に参考になるベースとなるものを作ることなどが、活性化委員会の話し合いで提案されています。例えばレッスン会では3日間コースならこういうことをやろう、1日コースならこういうことを何時間でやろうということなどです。また、冒頭で水田理事長が話していた初心者向けのアカデミーでも、3日間を受講した人には卒業証書みたいなものを授与し、それを持っていれば福岡県内の指定されたゴルフ場で割安に1年間プレーできるなどの特典をつけています。

水田理事長 特典はプレーだけではなく、福岡県内のゴルフショップでウエアなどを優待価格で購入できます。ゴルフ練習場のショップなどにも、できるだけ負担が掛からない範囲で協力してもらいました。

重永事務局長 そのような取り組みも活性化委員会の中でマニュアル化し、各県で共有することで普及や振興の前進につながっていくのではないかと考えています。

 

 

 

構成・鈴木遍理(情報シェアリング部会委員)

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